【4月24日 CNS】コーヒーチェーン大手、スターバックス(Starbucks)は21日、植物性タンパク質由来の「人工肉」ランチメニューを22日から中国で販売すると発表した。その前日、ケンタッキー・フライドチキン(KFC)は新製品「植物性ゴールデンチキン」の発売を発表。食材がいずれも昨年から世界で評判の「人工肉」という点が注目されている。

 2社がこのニュースを発表すると、資本市場はすぐに反応し、「人工肉」関連株が相次ぎ上昇した。21日の終値は、双塔食品(Shuangta Food)が6.37%、愛普股份(Apple Flavor and Fragrance)が4.71%、美盈森(MYS)が4.12%それぞれ上昇した。

 スターバックスのカスタマーセンターによると、22日発売の一連の製品は「新善食」シリーズと名付けられ、メニューは「新善肉キノコ穀物」「新善肉広東風サラダなど5種。製品は主に米国の「人工肉」トップ企業であるビヨンド・ミート(Beyond Meat)が製造した。

 KFCは20日、微信(ウィーチャット、WeChat)公式アカウントで「植物性ゴールデンチキン」の先行販売を行うことを発表。この商品は大豆や小麦、エンドウマメのタンパク質などで作られ、コレステロールは含まれない。試験販売価格は5個で1.99元(約30円)で、28日から30日まで、上海、広州(Guangzhou)、深セン(Shenzhen)の3店舗で引換券を使って購入できる。

「人工肉」は昨年から注目されていた。2019年5月、米国のビヨンド・ミート社がナスダック(NASDAQ)証券市場で新規株式公開すると、初日の終値が163%高を記録し、食品業界や投資家の間で「人工肉」に対する注目度が高まった。

 一方、中国国内でも、「人工肉」メーカーの双塔食品などが昨年9月に、「人工肉」を使った月餅を発売し、即売り切れとなった。その後、喫茶チェーンの「奈雪の茶」も「人工肉」バーガーを試験的に販売し、「人工肉」製品を実店舗で販売した初の飲食業企業となった。

 食品産業アナリストの朱丹蓬(Zhu Danfang)さんによると「今回、スターバックスとKFCの試験販売イベントは、消費者のフィードバック情報を集めることにより、中国人の味覚に基づきエンドウタンパクの比率や風味を調整できる。また、肉類の価格が不安定な現在、『人工肉』系列の新製品を市場投入することでコストを抑え、製品の差別化も実現できる」と分析する。(c)CNS/JCM/AFPBB News