【4月16日 CNS】中国の著名な飲食店チェーン「海底撈(Haidilao)」や「西貝(Xibei)」などが値上げをしたニュースが注目されている。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響で、来客が減った飲食業は生き残りに必死だ。政府も対策を講じて消費を奨励しているが、店内での食事ができるようになったら値上げとなり、消費者としてはつらいところだ。

 データによると、この2か月間の飲食業界の売り上げは、前年同期比43.1%減となった。重慶(Chongqing)の著名な火鍋チェーン「秦媽集団」のは、昨年の春節(旧正月、Lunar New Year)期間の直営店12軒の売り上げは1200万元(約1億8500万円)だったが、今年は200万元(約3100万円)にもいかず、減少幅は90%近いという。

■値上げは感染症とコスト上昇による

 北京の市民が最近、自身の体験を微博(ウェイボー、Weibo)に書きつづった。「海底撈が経営を再開すると聞き、涙を流して喜んだ。でも価格表を見てあぜんとした。これはやり過ぎだと思った。『1人平均価格220元(約3400円)から』と書いてある。血豆腐の半人前が16元(約250円)から23元(約350円)へ値上げ、ジャガイモの半人前が13元(約200円)、調味料1人10元(約150円)、ご飯が1わん7元(約110円)、豚肉の衣揚げが1皿50元(約770円)などとなっていた」

「海底撈」の広報部門はメディアに対し、「感染症対策とコスト上昇により、一部の料理の価格を調整した。全体価格を6%増に抑え、各都市でそれぞれ現地の実情に合わせ異なる価格となる」「店舗の営業時間は午前11時から午後9時までとし、感染症対策として、店内の食卓と椅子の間隔を1メートル以上空け、1卓あたり最大3人まで。座席数は従来に比べ少なくなる」と説明している。

■値上げはもろ刃の剣

 中国連鎖経営協会が発表した「新型ウイルスの中国飲食業界に対する影響研究報告書」によると、2020年3月1日以降、調査した企業の中で、5%は経営を継続する現金がすでになく、79%は手持ちの資金では3か月は維持困難と答え、現金が潤沢にあり6か月以上経営を維持可能と答えた企業は16%だった。

 重慶工商大学(Chongqing Technology and Business University)長江上流経済研究センターの莫遠明(Mo Yuanming)研究員は、値上げはもろ刃の剣だ指摘。良い点は、値上げによりコスト上昇分を取り戻せることで、悪い点は、市民の財布のひもが固くなり、自宅での消費志向が強くなって飲食業の再興に不利となることだという。(c)CNS-工人日報/JCM/AFPBB News