【4月23日 AFP】男子テニスのロジャー・フェデラー（Roger Federer、スイス）は22日、新型コロナウイルスの影響でシーズンが中断する中、統括団体の男子プロテニス協会（ATP）と女子テニス協会（WTA）を統合する「絶好のタイミング」だと主張した。WTA創設者のビリー・ジーン・キング（Billie Jean King）氏やラファエル・ナダル（Rafael Nadal、スペイン）も、もろ手を挙げて賛同している。

　四大大会（グランドスラム）通算20勝を誇るフェデラーは自身のツイッター（Twitter）で「少し気になっているのだが…、今こそ男女のテニスを統合して一つになるべきだと考えているのは自分だけなのだろうか」 「競技を統一すると言っているのではなく、男子と女子のプロツアーを統括する二つの団体（ATPとWTA）を統合するということだ」とつぶやいた。

　これには、女子テニスの第一人者で、1973年にWTAを創設したキング氏も、自身が数十年前に提唱した案への支持を表明した。

「同意するし、これは1970年代前半からずっと訴え続けていること。女子と男子が一つになって声をそろえる。これがずっと私のテニス界に対するビジョンだった。WTA自体が常に次善の策であった。私たちが同じ考えを持っていることをうれしく思う。実現させよう。#OneVoice」

　またグランドスラム通算19勝のナダルも「これまで議論してきたから分かっていると思うけど、完全に同意だ。男女のテニスが団結し、一つの組織になってこの世界的な危機を乗り越えられたら最高だ」とツイートし、積年のライバルの提案を支持した。

　テニス界は新型コロナウイルスのパンデミック（世界的な大流行）による大打撃を受け、ウィンブルドン選手権（The Championships Wimbledon 2020）が戦後初の中止となり、全仏オープン（French Open 2020）は9月下旬に延期となった。そうした中でフェデラーとナダルは、男女のツアーを統合することで、より強くなった状態で新型ウイルスの危機を抜け出せると主張している。

　フェデラーは「ひょっとしたらずっと前になされるべきだったと思うが、今がまさにそのときなのかもしれない。すべてのスポーツが苦境に立たされている。テニス界は弱った二つの団体、もしくは強くなった一つの団体として抜け出すことができる」とし、現在の形は「ランキングシステムやロゴ、ウェブサイト、大会カテゴリーが異なり、ファンにとって分かりづらい」と続けた。

　フェデラーの投稿後、グランドスラム通算3勝のスタン・ワウリンカ（Stan Wawrinka、スイス）は、すでにATPのアンドレア・ガウデンツィ（Andrea Gaudenzi）会長との両団体の統合に関する話し合いは始まっていると明かした。また、グランドスラム王者のシモナ・ハレプ（Simona Halep、ルーマニア）やペトラ・クビトバ（Petra Kvitova、チェコ）ら女子スター選手も、フェデラーへの支持を表明している。(c)AFP