【4月23日 CNS】中国のIT大手「阿里巴巴(アリババ、Alibaba)」傘下の「阿里雲(Alibaba Cloud、アリババ・クラウド)」は20日、今後の3年間でさらに2000億元(約3兆円)を投じ、クラウドオペレーションシステム、サーバー、CPU、ネットワークなどの重大核心技術の研究・開発と未来へ向けたデータセンターの構築を行うことを明らかにした。

 アリババ・クラウドの張建鋒(Zhang Jianfeng)総裁は「この事業は、阿里巴巴グループの核心的戦略の一つ。連続11年間投資しており、新型コロナウイルスの感染拡大があるからといって、投資を減らすことはしない。逆に投資を増やさねばならない」と語っている。

 アリババ・クラウドは、世界の21エリア、100か所以上のデータセンターの布石を完了し、広く液体冷却、水冷却、風力エネルギーなどの省エネ技術を採用、エネルギーロスを低減している。現在、アリババ・クラウドの「飛天」オペレーションシステムを管理するサーバー規模は100万台だ。向こう3年でさらに2000億元を投入することは、アリ・クラウドのデータセンターにあるサーバー規模をさらに3倍にすることを意味しており、世界最大のクラウドコンピューティングのインフラをつくり上げるとしている。

 ハイテク関連の調査会社「Canalys」のデータによると、2019年末の時点で、アリババ・クラウドは中国市場ランキング第1位、市場シェアは46.4%だった。同じく「ガートナー(Gartner)」と「インターネットデータセンター(IDC)」のデータによると、アリババ・クラウドの世界市場におけるシェアはランキング第3位で、成長速度はアマゾン・ドットコム(Amazon.com)やマイクロソフト(Microsoft)を上回るという。

 クラウドコンピューティングとデータセンターは、中国の重要な新たなインフラだ。2019年の世界のデータセンターにおける占有率は、これまでの計算機室を上回り、クラウドコンピューティングはITインフラの主動的地位となった。また、コスト、安定性、安全と効率の面で伝統的なITをはるかに超えている。(c)CNS/JCM/AFPBB News