【4月21日 AFP】男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は20日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)でテニス選手が依然として練習できない状況であることに不満を示した。その一方で、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は、手術を受けた膝の状態に満足していると語った。

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 スペインでは政府の非常事態宣言が5月9日まで延長され、一部の職種に従事するごくわずかな人々を除いて、全国民が自宅での自粛生活に置かれている中、ナダルは練習ができない状況への困惑をあらわにした。

 世界ランク2位のナダルはインスタグラム(Instagram)のライブ配信で、「多くの人々が仕事に出掛けているし、テニスは広く安全な距離を保ちながらコートの反対側にいる相手と対戦する競技なのに、なぜ僕らがプレーできないのか、ふに落ちないのは確かだ」と語った。

「だけど、今はとても危機的な状況で、政府が前代未聞の事態に対処していることは分かっているし、練習できる人とそうでない人がいることに彼らが考えもしないのは仕方がない」「この状況を理解しているし、多くのことが論理的でないのは明らかだけど、ルールは受け入れなければならない」

 新型コロナウイルスの影響でテニス界は男女ともにツアーが中断されており、先月にはウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2020)が第2次世界大戦(World War II)後では初めて中止となった。ナダルが得意としている全仏オープンテニス(French Open 2020)は、開幕が9月20日に延期されている。

「テニスから遠ざかっているし、家にはコートもないから少し寂しい」「フィジカルルーティンは欠かしていない。ロックダウン(都市封鎖)が始まったとき、自分のアカデミーのジムからいくつか器具を持ってくることができたので、午前と午後に少しずつ鍛えている」「頭と体の両方を集中させることがとても重要だ。いつもそうするように努力している」

 一方、四大大会(グランドスラム)通算20勝を誇るフェデラーは、2月に手術に踏み切った右膝の状態を明らかにし、「膝のリハビリについては、少しばかり壁にぶち当たった」と話した。

「大丈夫だ。最初の6週間は本当に順調で、その後は少しペースが落ちた。今はまた良くなってきているし、時間はたくさんある」「ストレスや焦りは全くない。(ロックダウンの状況について)何か前向きな要素があるとすれば、実のところそれだけだ。膝の回復を望んでいるけれど、復帰時期については気にしていない」 (c)AFP