【4月21日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は20日、これまで対立していた野党指導者のベニー・ガンツ(Benny Gantz)国会議長と緊急の統一政府を樹立する歴史的合意に至った。これにより、同国最悪の政治危機に終止符が打たれた。

 両氏は合意に基づき、今後3年間にわたり交代で政権を率いる。まずはネタニヤフ氏が1年半にわたり続投し、ガンツ氏が残る1年半、首相を務める。

 右派与党リクード(Likud)の党首で、同国史上最も長期にわたり首相を務めるネタニヤフ氏は、この1年に行われた3度の総選挙でガンツ氏と対決。しかし両氏はいずれの選挙でも連立政権の樹立に必要な支持を得られずに終わった。先月2日の総選挙後には同国で新型コロナウイルスの感染が拡大し、統一政府樹立を求める声が高まっていた。

 レウベン・リブリン(Reuven Rivlin)大統領から組閣を命じられたガンツ氏は先月、予想に反し国会議長に選出され、その立場を利用してネタニヤフ氏との合意を目指すと言明。ガンツ氏の決定を受けて、同氏が率いる中道野党連合「青と白(Blue and White)」は分裂した。

 ガンツ氏の立場が弱まったことで、ネタニヤフ氏がこの1年半で4度目となる総選挙を実施するとの観測が広まっていたが、20日の合意により総選挙は回避された。(c)AFP