【4月20日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が影を落とす中、ドイツにある旧ナチス・ドイツ(Nazi)強制収容所3か所が解放から75年を迎える。同国のハイコ・マース(Heiko Maas)外相は19日、ホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)の否定と闘うことを誓った。

 ザクセンハウゼン(Sachsenhausen)、ラーフェンスブリュック(Ravensbrueck)、ベルゲン・ベルゼン(Bergen-Belsen)の強制収容所跡で開催予定だった式典は、中止か大幅に縮小された。

 首都ベルリン北方に位置するザクセンハウゼンの収容所は、75年前の今週に連合軍によって解放された収容所の一つだ。

 マース外相はビデオ声明で、「ザクセンハウゼンの収容所では2万人以上の命が奪われた。その一人一人に1分間の黙とうをささげれば、2週間にわたり黙とうすることになる」と述べ、「しかし、(ホロコーストの)忘却との闘いに沈黙することはできない」と語った。

 ベルゲン・ベルゼンの収容所では、ユダヤ人少女アンネ・フランク(Anne Frank)を含む5万人超が亡くなった。ホロコーストを記録したアンネの日記は、第2次世界大戦(World War II)期にナチスがもたらした苦しみの象徴となっている。

 当初19日に予定されていた追悼式典は、来年4月に延期された。また、予定されていた演説の一部はオンライン配信された。(c)AFP