【4月19日 AFP】オーストラリアは19日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた世界保健機関(WHO)の危機対応を含め、パンデミック(世界的な大流行)への対応について独立の調査を実施するよう求めた。

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 マリス・ペイン(Marise Payne)外相は、昨年末の武漢(Wuhan)における感染拡大への中国当局の初期対応などを調べる検証作業を「主張」する意向を明らかにした。

 オーストラリア放送協会(ABC)に対して同外相は、「独立した検証で突き止めることになるウイルスの起源、対応の手法や情報を共有する公開性の取り組みについて、われわれはいくらか詳細を知る必要がある」と語った。

 同外相はまた、オーストラリアが米国と同様の懸念を共有していると発言。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は危機への「対応を誤り」、感染拡大前に中国の状況の深刻さを隠蔽(いんぺい)したとしてWHOを非難している。

 また、パンデミックの影響がオーストラリアと中国の関係を「いくぶん」変えることになるとの認識を示した上で、中国政府の透明性をめぐる不安が現時点で「極めて高い水準にある」と話した。

 さらにグレッグ・ハント(Greg Hunt)保健相は独立調査の呼びかけを支持。オーストラリアが感染拡大の抑制で成果を収めたのはWHOの助言に従わなかったことも一因だとの見解を示した。

 同保健相は、「オーストラリアは世界基準で非常に重要かつ上出来の結果を上げることができているが、国内の医療専門家が提示した道筋に従って成し遂げた」と発言。

「われわれが2月1日に中国からの入国禁止措置を課した際、一部の当局者や(スイス・)ジュネーブのWHOから相当な批判があったことを知っている」とし、WHOはポリオやはしか、マラリアのような病気との闘いにおいては「うまくやった」ものの、新型コロナウイルスへの対応は「世界を助けることにはならなかった」と明言した。

 また、「われわれが良い結果を出したのは、国家として独自の決定をしたからだ」と付け加えた。

 オーストラリアでは、新規感染者の伸びがここ数週間で劇的に鈍化。移動および集会の厳しい規制は少なくとも来月まで実施される見込みだが、当局は引き続き感染拡大を制御下に置くよう取り組む。(c)AFP