【4月18日 AFP】米カリフォルニア州シリコンバレー(Silicon Valley)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の実際の感染者数は、公式集計の少なくとも50倍に上るとの予備調査結果が明らかになった。

 米スタンフォード大学(Stanford University)の研究者らはフェイスブック(Facebook)を使用して、サンタクララ(Santa Clara)郡からボランティア3300人を募集。住民から採取した血液サンプルでウイルス抗体を検査した。その結果、全人口の2.5%から4.1%が感染していることが推定されるという。これは確認された感染者数の50倍から85倍に当たる。

 17日にウェブサイト上に掲載された査読前の論文のプレプリント版で著者らは「われわれのデータが示唆しているのは、サンタクララ郡では(調査終了の3日前の)4月1日までに、4万8000人から8万1000人が感染していたということだ。同郡で4月1日時点に陽性と確認された感染者数は、956人だった」と指摘している。

 これによると、実際の致死率は0.2%未満となる。

 この研究の制約は、ヒスパニック系住民が多数を占める地域において白人女性が不釣り合いな比率を占めたことにあったため、調査チームは元のデータを調整して、地元の人口構成に対応させる必要があった。

 血清学的検査として知られているこの検査では、皮膚プリックによって血液サンプルを採取。この検査がマーケットに投入されたのはごく最近にすぎない。

 いわゆる血清学的調査は、新型コロナウイルス感染症の実際の拡大規模と、今後感染する可能性のある人々の数を明らかにすべく、米国および世界各地でこれまでよりはるかに大きな規模で開始されている。(c)AFP