【4月18日 AFP】イタリアの保健当局は17日、経済的に進んだ北部よりも新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)への備えが不足していた南部地域で、同ウイルスの拡大を食い止めることにようやく成功したと発表した。

 高等医療理事会(Higher Health Council)のフランコ・ロカテッリ(Franco Locatelli)会長は報道陣に対し、「南部地域での感染拡大を止めた」「これは今や、数字で裏付けられた事実だ」と述べた。

 人口約6000万人のイタリアで新型コロナウイルスにより死亡した人は、最初の死者が記録された2月21日から現在までに2万2745人となっており、米国に次いで世界で2番目に多い。

 ジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)首相は6週間前、イタリアで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を抑え込むには、北部の流行の中心となったミラノ(Milan)周辺に封じ込めることができるかどうかにかかっていると警告していた。

 それでも、流行が始まったのが感染症への準備が国内で最も整っていた地域だったことから、比較的幸運だったとイタリア国内では受け止められている。

 コンテ首相は、新型コロナの流行が勢いを増していた頃、戦争時以外では西側世界で初となる全土のロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。

 コンテ首相率いるチームは、経済は短期的には痛みを受けるが、その痛みは、医療システムが守られ、数週間以内に徐々に経済活動を再開できるようになることで報われると主張した。しかし経済界からは、コンテ首相が封鎖をあまりにも長引かせて経済に不要な打撃を与えているとの批判も出ている。

 イタリア国家市民保護局(DPC)のデータによると、新型コロナウイルス感染症で治療を受けている人は1日に1000人以上増える時期が続いていたが、最近の増加幅は数百人になっている。17日は、ミラノがあるロンバルディア(Lombardy)州を除けば11人増えただけだった。

 イタリアで現在実地されている厳しい措置は5月4日に期限が切れるが、DPCの最新のデータは、コンテ首相が一部の措置の延長見送りを検討する新たな判断材料になるとみられる。(c)AFP/Dmitry ZAKS