【4月15日 AFP】ライブ配信されていたバーチャルレース中に人種差別発言をした米ストックカーレースNASCARのカイル・ラーソン(Kyle Larson)について、所属チームのチップ・ガナッシ・レーシング(Chip Ganassi Racing)が14日、契約を解除したことを発表した。

 ラーソンはガネッシでNASCARカップ・シリーズ(NASCAR Cup Series)7シーズン目を戦っており、今季末の契約満了後には各チームからオファーが殺到するとみられていたが、今回の発言で大手スポンサーには逃げられ、ついにはチームからも放り出された。

 チームは「熟慮の末、カイル・ラーソンとの関係を断つことを決めた」「言った通り、われわれの価値観を踏まえれば、カイルの発言は攻撃的で容認できない。そして関係当事者と状況を分析する中で、他に適切な措置がないことが明らかになった」と発表した。

 チームとNASCARはすでにラーソンを出場停止にし、スポンサーの米クレジット・ワン・バンク(Credit One Bank)と同国ファストフード大手マクドナルド(McDonald's)は契約を打ち切っていた。 

 ラーソンは12日夜に、バーチャルレースの「モンツァ・マッドネス・iレーシング(Monza Madness iRacing)」に参加した。このレースは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)でスポーツ界が中断に追い込まれている中で、ファンがドライバーとつながりを持つ機会となっている。

 ラーソンが暴言を吐く音声は、別の参加選手を捉えていたゲーム専用ライブストリーミング配信プラットフォーム「ツイッチ(Twitch)」の映像の中で拾われた。

 このレースでは、参加する選手が互いの声を聞けるようになっていたが、ラーソンは自分の声が配信されているとは思っていない様子で、「聞こえないのか? おい、(人種差別用語)」と発し、別の選手に「カイル、みんなに聞こえているよ」と返されていた。(c)AFP