【4月13日 AFP】サウジアラビアをはじめとする主要産油国は12日、新型コロナウイルス危機とロシア・サウジ間の低価格競争により暴落した原油価格を引き上げるため、記録的な減産で最終合意した。

 サウジが主導する石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどOPEC非加盟の主要産油国はこの日、1時間におよぶビデオ会議を開き、10日朝に達した合意を固める最後の努力を行った。

 メキシコを除く主要産油国は先に、5月と6月に日量1000万バレルの協調減産を行うことで合意していた。12日のビデオ会議で減産幅を日量970万バレルに減らし、メキシコの同意を取り付けた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はツイッター(Twitter)に「みんなにとって偉大な合意だ」と投稿。「米国のエネルギー関連の数十万の雇用を救済する」ことになるだろうと歓迎した。

 さらにトランプ氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)と話した後に、両者に感謝と祝意を表明した。

 石油価格は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)で世界各国がロックダウン(都市封鎖)を実施したことで石油の需要が激減し、年初から下落していた。その上、主要産油国であるロシアとサウジアラビアが価格競争に入り、市場シェアの維持と米国のシェールオイル企業への打撃を狙って増産したため石油価格はさらに下がっていた。(c)AFP