■アフリカ人への異常な恐怖感

 広州での感染例をめぐり、インターネットでも暴言があふれ、多くの中国人ユーザーが人種差別的なコメントを投稿。すべてのアフリカ人を強制送還するよう求めた。

 また先週、異なる種類のごみに分別される外国人を描いた画像がソーシャルメディア上で拡散され、物議を醸した。

 デービッドとだけ名乗る広州在住のカナダ人男性は、「アフリカ人なら誰でも、病人と接触したかもしれないという、端的に異常な恐怖感がある」と述べた。

 米国務省は、アフリカ系米国人や、アフリカ人と接触する可能性のある米国人に対し、広州への渡航を避けるよう勧告する警戒情報を出し、さらに11日には、アフリカ人への対応をめぐって中国に痛烈な非難を展開。

 国務省の報道官は、「残念なことだが、中国当局によるアフリカ人に対するこのような外国人嫌悪は驚くに当たらない」と述べた。

 アフリカ連合(African Union)も11日、この状況について「極めて強い懸念」を表明し、中国政府に対して直ちに修正措置を取るよう求めた。

 一方の中国外務省は先週、アフリカ人コミュニティーに対し、いくつか「誤解」があったことを認めた。同省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は9日、「中国政府が、中国にいるすべての外国人を平等に扱っていると強調したい」と主張。地方当局に対し、「業務システムを改善する」よう求めた。

 さらに同報道官は12日、「中国政府は、中国国内在住の外国人の生命と健康を極めて重視している」と述べ、「広東省当局は、アフリカの一部の国々の懸念を極めて重視しており、業務手法を改善するために迅速に動いている」と付け加えた。

 同報道官によると、広東省の当局者らは、「すべての人種差別的な発言」を否定しているという。(c)AFP/Laurie CHEN