【4月12日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に伴い、ドイツの対フランス国境地域でのフランス人に対する攻撃が激化しており、ハイコ・マース(Heiko Maas)独外相は11日、これを強く非難した。

 マース外相はツイッター(Twitter)への投稿で、「コロナウイルスに国籍は関係ない。人間の尊厳も同じだ。われわれのフランスの友人たちの一部が、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のせいで侮辱され、攻撃されているのを見るのはつらい」と述べ、「こうした行為は全く容認できない。その上、われわれは今同じ境遇にあるのだ」と語った。

 仏グランテスト(Grand Est)地域圏と国境を接する独ザールラント(Saarland)州のアンケ・レーリンガー(Anke Rehlinger)経済相も8日、「フランスの人々が侮辱され、卵を投げ付けられていると聞いている。こうしたことをする者たちは、国家間の友情に対して罪を犯している」と非難し、謝罪した。

 その数日前には、対仏国境沿いに位置する小さな町ガースハイム(Gersheim)の町長がニュースサイトt-onlineで、自身の地域で「フランスの友人たちに対して特定の敵意」があることを訴えた。

 町長は「侮辱されたり、路上で止められたりする人がいる中」、「ここへ来る勇気がもうない」人もいると述べた。ガースハイムでの状況が非常に悪化したため、町長はフェイスブック(Facebook)に動画を投稿し、直接地元住民に語り掛けた。

 一部のフランス人からは、外を歩いたりスーパーマーケットの列にいたりする際に唾を吐かれたとの報告が寄せられている。町長によると、「コロナに支配された国に帰れ」と言われた人もいるという。(c)AFP