【4月9日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、ミルウォーキー・バックス(Milwaukee Bucks)のヤニス・アデトクンポ(Giannis Antetokounmpo)とその兄弟は8日、新型コロナウイルスの対策支援として、ギリシャ・アテネ郊外のゾグラフォウ(Zografou)市に医療用マスク1万枚を寄付した。

 ゾグラフォウ市は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の防護策として市民にマスク1万枚を提供してくれたアデトクンポ家に心から感謝したい」と発表。今回の行動は「ゾグラフォウ市民に対する多大な支援であるだけでなく、アデトクンポ兄弟が数年を過ごした町と強い絆でつながっていることを証明した」とたたえた。

 昨季のレギュラーシーズン最優秀選手(MVP)に輝いたアデトクンポと、タナシス(Thanasis)、コスタス(Kostas)、アレクシス(Alexis)の兄弟は、両親がナイジェリアからの移民としてたどり着いたギリシャで貧しい少年時代を過ごした。

 家族を支えるため路上で物を売りながら育った兄弟だったが、バスケットボールが彼らの生活を一変させ、ヤニスは2016年にバックスと4年1億ドル(約109億円)の契約を交わした。アデトクンポ家から寄付されたマスクは、市で働く労働者や社会的に弱い立場にある人々に速やかに配られるという。

 ギリシャ政府は8日、新たに52人が新型コロナウイルスに感染したと発表。ギリシャではこれまでに計1884人が感染し、83人が亡くなっている。(c)AFP