【4月8日 AFP】新型コロナウイルス感染症の症状が悪化していたボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相(55)が、集中治療室(ICU)に移されてから8日で3日目を迎えた。英政権の中枢をも侵した新型ウイルスにより、国内では6200人近くが死亡、5万5000人以上の感染が確認されている。

 保健省のエドワード・アーガー(Edward Argar)氏は衛星放送テレビ局スカイニューズ(Sky News)の取材に対し、「首相の容体は安定していると認識している。落ち着いていて、気丈にしている」と話した。

 さらに「一時的に酸素の吸入は受けたが、人工呼吸器は使用していない」と明かした。

 タイムズ(Times)紙は、続いていた高熱は下がったと報じている。一方デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙は、国内屈指の肺の専門医が同氏の治療に当たっていると伝えた。

 必要に応じて首相の職務を代行するドミニク・ラーブ(Dominic Raab)外相は、ジョンソン氏を「闘士」と呼び、「首相は戻ってくる、そして近くこの危機を脱することができるよう、指揮を執ってくれるだろう」と語った。

 新型ウイルス感染が明らかになった各国首脳の中でも最も知名度の高いジョンソン首相に対しては、国内外から回復を祈るメッセージが多数寄せられている。

 首相は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と診断された後、10日たってもせきが続き高熱が治まらないことから、5日に入院し、翌6日夜に集中治療室に移されていた。

 国の非常事態にあって、首相が集中治療室に移されたことは過去にも例がない。(c)AFP/Alice RITCHIE/Joe JACKSON