【4月7日 AFP】フランスの農相は7日、仕事がなくなった労働者らに対し、夏が近づくにつれて労働力の確保が急務となっている栽培農家や畜産農家で働くことを呼び掛けたところ、20万人以上から応募があったと明かした。

 ディディエ・ギヨーム(Didier Guillaume)農相は国営テレビのフランス2(France 2)に対し、「きょう現在で20万人以上の応募があり、採用担当者5000人が業務の調整に当たっている」と述べた。

 農相は、「これらの人々に国内移動を強いるつもりはなく、自宅付近や近隣の農家、または食品産業や運送、物流業界での勤務となる予定だ」と説明。「これらの製品が、売れる場所に確実に届くようにすることが非常に重要だ」と話している。

 ギヨーム氏は先月、何万人もの一時解雇を招く新型コロナウイルスによる外出制限、また農家らが例年のように季節労働者を確保できない国境閉鎖の中で、「大農業部隊」の結成を呼び掛けていた。

 アスパラガスやイチゴ、トマトなど、初夏の作物の収穫期と、畜産業では本格的な繁殖期が迫り、仕事をこなせる人材の必要性が高まっている。

 ギヨーム氏はまた、多くの生産者にとって全土での外出制限令は、レストランや学校のカフェテリアなどが休業する中、傷みやすい商品の在庫が積み重なることを意味すると指摘。

 フランスにおいて、食料の円滑な流通経路を維持していくことは急務であり、機能が停止した場合は「市民の食料が十分ではなくなる」と警鐘を鳴らした。(c)AFP