【4月7日 AFP】ニュージーランドのデビッド・クラーク(David Clark)保健相は7日、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)による外出制限を破ったことが発覚したことを受け、自らを「ばか」と呼んで辞意を表明したが、閣内での降格処分にとどまり職務を続行することになった。

 ニュージーランドは現在、新型コロナウイルスの感染拡大抑制策として厳格なロックダウンを実施しており、自宅から近い範囲の外出しか許可されていない。しかしクラーク氏は、家族を連れて車で自宅から20キロ離れた浜辺に出かけていた。

 本来なら保健相として模範を示さなければならないクラーク氏は、「ニュージーランド国民にかつてない犠牲を払ってほしいと要請しているときに、私はチームを失望させた」「私はばかだった。私に対する人々の怒りを理解する」と述べた。

 ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は、平常時ならば解任するところだが、クラーク氏が兼任する財務副大臣の役割だけを解き、閣内で降格させる措置にとどめると発表。「彼がやったことは間違っており、言い訳は通用しない」としつつ、「だが今、私の優先事項は力を合わせて新型コロナウイルス感染症と闘うことだ。保健部門の大きな混乱に対処する余裕はない。そうした理由で、まさにそれだけの理由で、クラーク博士には自らの役割にとどまってもらう」と述べた。(c)AFP