【4月7日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受け、一部のクラブ職員を一時帰休させると決めていたイングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)は6日、決定を撤回し、謝罪に追い込まれた。リバプールは前週末、英政府が導入した一時帰休の制度を利用すると発表し、元選手やファンから猛批判を浴びていた。

 オーナー会社であるフェンウェイ・スポーツ・グループ(Fenway Sports GroupFSG)は、パンデミックが発生している間、約200人のスタッフを一時帰休させ、対象職員の賃金80パーセントが政府によって支払われることを望んでいた。

 プレミアリーグでは、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)やニューカッスル・ユナイテッド(Newcastle United)、ボーンマス(AFC Bournemouth)、ノリッジ・シティ(Norwich City)もすでに同じ制度を使うと明かしていたが、最も大きな批判を受けたのは、18-19シーズンの経常利益が4200万ポンド(約56億円)を記録し、同リーグで首位に立つリバプールだった。

 マージーサイド(Merseyside)州の労働者階級コミュニティーと強いつながりを持つリバプールは、そうした評判などを理由に批判を集めていたが、ピーター・ムーア(Peter Moore)最高経営責任者(CEO)がサポーターに送った公開書簡の中で、「主要な利害関係者」と協議した結果、一時帰休に「代わる手段」を取ることに決めたと明かし、激しい反発はすぐに収束した。

 ムーアCEOは「われわれは前週、コロナウイルス雇用維持スキームを利用し、プレミアリーグの中断によってスタッフを一時帰休させると発表したが、それは誤った結論だったと確信している。そのことを本当に申し訳なく思う」と記した。

 これを受け、かつてリバプールでプレーしたジェイミー・キャラガー(Jamie Carragher)氏はツイッター(Twitter)に「@PeterMooreLFC、@LFC、立派だと思う。最初は大きな過ちだったが、おかげさまで今では是正された」と投稿した。

 この決定に先立ち国際サッカー連盟(FIFA)は同日、新型コロナウイルスによる経済的影響を受けているクラブを守るため、各チームとその選手に対して減給に合意するよう促したと、関係者が明かした。

 FIFAはまた、選手の契約は中断されたシーズンが終了されるまで延長され、移籍期間はその時まで開かれるべきではないと要請した。

 プレミアリーグは減給に関して選手と代表者の話し合いがこう着状態に陥っており、他の欧州リーグに遅れを取っている。

 イタリア・セリエAのクラブは同日、選手や監督、スタッフの給与カットについて合意しており、FCバルセロナ(FC Barcelona)など他のリーグのチームも、すでに選手の減給を発表している。(c)AFP/John WEAVER