【3月13日 AFP】世界で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、各国では学校の休校や、スポーツ大会やエンターテインメント興行の中止や延期が相次いでいる。主な対応措置や影響を一覧にした。

■一斉休校

 フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は12日、新型コロナウイルスの感染抑制策として、来週から当面の間、全国一斉休校を実施すると発表した。また70歳以上の高齢者に対しては、自宅にとどまるよう呼び掛けた。

 アイルランド、ベルギー、ポルトガル、スリランカ、カザフスタン、日本も一斉休校を実施している。

■エンターテインメント界

 米ニューヨークでは劇場が集まるブロードウェー(Broadway)の全公演が、4月12日まで中止となった。また昨年700万人以上が訪れたメトロポリタン美術館(Metropolitan Museum of Art)も休館を発表した。

 米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニー(Walt Disney)は少なくとも3月末まで、米フロリダ州、カリフォルニア州、フランス・パリのディズニーランド(Disneyland)を休園すると発表した。

■スポーツ界

 米大リーグ機構(MLB)は、26日に予定していたシーズン開幕を最低2週間延期。米プロバスケットボール協会(NBA)も公式戦のシーズンを中断しており、この措置は少なくとも30日間続く可能性があるという。

 フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のオーストラリアGP(Australian Grand Prix 2020)と、ゴルフの一流選手が集うザ・プレーヤーズ選手権(The Players Championship 2020)も中止された。

 欧州では、イタリアがサッカーセリエAを含むすべてのスポーツイベントを4月3日まで中断すると発表。サッカーのスペイン・リーグ(La Liga)も2週間、フランスプロサッカーリーグ連盟(LFP)は次の告知まで無期限で1部と2部の試合を延期すると発表した。セリエAのユベントス(Juventus)は所属選手、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)はバスケットボールチームの選手の感染が確認され、ともに隔離措置を取っている。

 世界各地でスポーツ大会が中止になる中、東京五輪の行方も不透明になっている。米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、東京五輪を1年延期すべきかもしれないと発言した。

■株式市場がパニック

 12日の株式市場は、世界的な景気後退への懸念から急落し、ロンドン、パリ、フランクフルト市場では主要株価指数が過去数十年で最低水準を記録した。

 優良株で構成するニューヨークのダウ工業株30種平均(Dow Jones Industrial Average)は10%下落し、1987年以来最大の下げ幅となった。13日の日経平均株価も一時10%急落し、6.1%の下げ幅で取引を終えた。

■隔離された著名人

 米俳優トム・ハンクス(Tom Hanks)さんは、大物ハリウッドスターとして初めて新型コロナウイルスへの感染を公表。オーストラリアの病院で検査を受け、陽性と判定された後、隔離された。妻で米女優・歌手のリタ・ウィルソン(Rita Wilson)さんも感染が判明した。

 カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は、妻のソフィー(Sophie Gregoire Trudeau)さんが新型コロナウイルス検査で陽性だったことから、自邸で執務を行っている。

 スペインでは、イレネ・モンテロ(Irene Montero)男女共生相が新型コロナウイルスに感染したことを受け、閣僚と王室メンバー全員が12日、検査を受けた。モンテロ氏とパートナーのパブロ・イグレシアス(Pablo Iglesias)第2副首相は隔離されている。(c)AFP/Chris Lefkow with Jastinder Khera in Rome and Mariette Le Roux in Paris