日本、1世帯に布マスク2枚配布へ ネットで冷笑広がる
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【4月2日 AFP】安倍晋三(Shinzo Abe)首相は1日、国の新型コロナウイルス感染症対策として、再利用可能な布マスク2枚を各世帯に配布すると発表した。これを受けてオンライン上では、冷笑と皮肉の声が広がった。
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安倍首相の発表から間もなくして、「アベノミクス」をもじった「アベノマスク」がツイッター(Twitter)でトレンド入り。
感染症対策を専門とする神戸大学(Kobe University)の岩田健太郎(Kentaro Iwata)教授は2日、ツイッターに「やっぱ一晩たっても『夢じゃなかった』」と投稿。安倍首相が提案した種類の布マスクは病院では決して使用されないと指摘し、「金の無駄遣い」だと批判した。
安倍首相は発表に際し、議場で自ら小ぶりな布マスクを着用したことから、ネット上では首相が2枚のマスクで目と口を覆っている画像が広く拡散した。
1世帯当たり2枚しか配布しないという方針については、2人以上の家族はどうすべきなのかと、国民の多くが困惑を示した。一家族の数人が一列に並び、一番前の人がマスクをし、そのひもを一番後ろの人まで引っ張っているというイラストも広まった。
また安倍首相はマスク約1億枚を全国の5000万世帯超に配布すると述べており、費用の面でも疑問が上がっている。
菅義偉(Yoshihide Suga)官房長官は2日、マスク1枚当たりの費用は約200円と発表。ただ菅氏は、マスクの配布により需要抑制に役立つと、今回の計画を擁護している。
マスクの効果については専門家の間でも意見が分かれているが、日本では使用頻度が高く、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)以前から風邪や花粉症の時期に一般的に使用されてきた。(c)AFP