【4月5日 CNS】中国で海外からの渡航者に対する新型コロナウイルス感染症への防御対策が厳しさを増す中、北京市では先月16日から、海外からの渡航者全員への14日間の隔離観察を実施している。北京市全体では、20日までに海外からの渡航者専用の集中観察施設が149か所設けられている。

 記者は先日、朝陽区(Chaoyang)の施設の監督検査を行う北京市衛生健康監督所の監督員に同行した。監督員は集中隔離観察施設で、個々の感染防護、健康、病状と施設の消毒隔離、廃棄物処理、通風系統、飲用水の安全など重点項目をくまなく監察し、また居住区や衛生健康行政部門、隔離施設を経営する会社の仕組みや業務フローの状況確認も行い、詳細に全面的に監督検査を行っていた。

 同区の衛生健康監督所の徐果(Xu Guo)副所長の話では、現在同区には20か所の集中隔離観察施設があり、各施設で医療、安全管理、エリア管理など6チームと区の衛生監督機構が毎日巡回監査を行っている。

 施設がある居住区の衛生サービスセンターで主任を務める楊非衡(Yang Feiheng)氏によると、施設は261部屋で合計268人の隔離観察対象者を収容、そのうち一部の世話が必要な老人や子どもは診断後、家族と同じ部屋の居住が許可された。
 
 施設では取材日の前日までに感染確定者、核酸試験の陽性反応者とも出ていない。一部発熱やせき、喉の痛みなどの症状がある人は検査を行った結果、いずれも新型コロナウイルス感染の可能性は排除された。

 隔離施設には体温測定で合格した人だけが入居できる。もし体温に異常が認められれば、ほかの施設へ移送され診療を受ける。隔離期間中問題が出なければ、正常な手順で隔離解除され、自由に施設を離れることになる。

 施設に使われているホテルの責任者によると、飲食物はホテルで専門に作られ、毎日メニューを変え、中華料理も洋食も餃子やメン類もそろっている。料理は1回限りの使い捨て食器に入れ、しっかりと包み、ホテル従業員が防護服を着て、定時に隔離対象者の部屋の外の物置台まで運ぶ。1時間経ったら隔離対象者が残飯と室内のごみをドアの外に出しておくので、従業員がそれを回収する。同時に従業員は共通スペースの消毒も行う。すなわち、毎日3回ずつ食事をとどけ、ごみを回収し、消毒を行っているという。

 市衛生健康監督所の劉勁松(Liu Jinsong)副所長の話によると、北京市から隔離観察施設に対し、体温測定の監督以外に、隔離対象者と職員の下痢、嘔吐、黄疸、発疹、結膜炎の5項目の管理が要求された。毎年春には呼吸器と消化器の疾病が多くなるため、この対策も直ちに行う必要があるためだという。(c)CNS-北京青年報/JCM/AFPBB News