【4月1日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領は3月31日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)への「警告を否定」した人たち、として後任のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領を遠回しに非難した。また、トランプ政権が自動車燃費基準の大幅緩和を発表したことを受けて、同政権が気候変動の結果を無視することに警鐘を鳴らした。

 2期にわたり大統領を務めたオバマ氏は、自身の政権時代、地球温暖化の緩和を目指して自動車の燃費と温室効果ガス排出量に規制をかける基準を導入。この基準の緩和をトランプ政権が発表したことについて、ソーシャルメディア上で批判した。

 オバマ氏はツイッター(Twitter)に、トランプ政権の新規制に関する記事のリンクと共に、「パンデミックの警告を否定した人たちによる結果があまりにもひどいことを私たちは目撃してきた。気候変動を否定することで起きる結果を、これ以上許すことはできない。私たち全員が、特に若い人たちが、あらゆるレベルで政府に改善を求め、この秋投票する必要がある」と投稿した。

 中国やイタリアで新型コロナウイルスによる死者数が急増し始めた後、トランプ政権は早期の段階で世界に向けて発信された流行への警告を聞き入れなかったとして厳しい批判を受けている。

 現在米国では、世界最多の16万5000人超の感染が確認されており、中国の公式統計を上回る3400人以上の死者が出ている。

 燃費と温室効果ガス排出量の基準緩和についてイレーン・チャオ(Elaine Chao)運輸長官は、米環境保護局(EPA)と運輸省は、「費用がかさみ、ますます達成不可能となっている燃費と自動車の二酸化炭素(CO2)排出の基準」を引き下げていると発表。

 EPAによると、CAFEと呼ばれるこの基準値は、2012年発表時の年間約5.0%増から26年までは1.5%増となり、厳重度が大幅に緩和されるという。(c)AFP