【4月4日 CNS】中国の映画産業をつかさどる国家電影局は3月27日夜、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全土の映画館に対し、暫時営業再開をしてはならないとする通達を行った。すでに再開していた映画館も直ちに営業を停止することとし、具体的な再開時期については、別途通知するとした。この通達は突然だったが、映画館の責任者らは、感染再発の防止にについて理解を示している。

■再開したばかりの映画館の微妙なデータ

 この通達が行われる少し前、中国の映画業界は60日近い営業停止の後、3月16日から複数の映画館が相次いで営業再開をしていた。同月20日の全国の興行収入は1万3800元(約21万円)、そのうち、河南省(Henan)の映写回数は計208本、広東省(Guangdong)の映写回数は179本で、興行収入はいずれもゼロだった。

 同月22日になると、全国で523軒の映画館が再開を果たし、全国の経営再開率は4.61%、当日の興行収入は4万1400元(約63万円)となる。同月27日には全国の興行収入はさらに伸びを見せ、ようやく10万元(約152万円)を突破、1本あたりの平均観客数は2人となったところだった。

■営業再開の意義は興行収入にあらず

 営業再開後は映画を見る人が少なく、新作の上映もないため、ファンは映画館の経営状態が心配だ。ある映画館の責任者は、現下の映画館にとって、経営再開の意義は興行収入の多寡ではなく、庶民の生活が徐々に平常に戻る積極的なシグナルを出すことに意義があると話す。

 全国の多くの映画館は、積極的かつ楽観的に再開を準備してきた。上海の205軒の映画館は、もともとは3月28日に営業を再開し、「映画観賞優遇月間」のイベントを行い、観賞券計60万枚に対し、1枚あたり10元(約152円)の補助を実行する計画だった。

 現在、映画館は感染症による大きな被害を受けている業界の一つだ。資金繰りが深刻な中で、営業再開をすれば希望が見えてくる。周辺ビジネス圏の活性化にもつながり、消費が動き出す。ある映画館の責任者は「営業再開を心から待ち望んでいます。清明節前後から回復が動き出し、労働節(メーデー)頃には完全回復できることを期待しています」と語っている。(c)CNS-北京青年報/JCM/AFPBB News