【3月31日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するレッドブル(Red Bull)の相談役を務めるヘルムート・マルコ(Helmut Marko)氏は、シーズン開幕を迎えるまでに、意図的にチームのドライバーを新型コロナウイルスに感染させて免疫をつけるように助言したと明らかにした。

【図解】免疫の仕組み、体を守る構造と過程の複雑なネットワーク

 76歳のマルコ氏の計画は、レッドブルのシニアドライバーであるマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)とアレクサンダー・アルボン(Alexander Albon)に加え、育成ドライバーを対象に練習キャンプを開き、その中で実施するものだったという。

 マルコ氏は公共放送のオーストリア放送(ORF)に対し、「チームでキャンプを開き、精神的にも肉体的にもこの退屈な時間の埋め合わせをするというのがアイデアだった」「それと、今のうちに感染しておけば理想的だろう」「彼らは皆、若くて健康な強い肉体を持っている。(免疫があれば)いつシーズンが開幕しても準備はできているし、非常に厳しい選手権にも備えられる」と語った。

 その一方で、この計画が「好意的に受け入れられなかった」ことも認めた。

 AFPの統計で、これまで世界で3万3000人以上の死者を出している新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により、2020年のF1は大混乱に陥っている。

 第2戦バーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2020)、第3戦ベトナムGP(Vietnam Grand Prix 2020)、第4戦中国GP(Chinese Grand Prix 2020)、第5戦オランダGP(Dutch Grand Prix 2020)、第6戦スペインGP(Spanish Grand Prix 2020)が延期された一方で、開幕戦のオーストラリアGP(Australian Grand Prix 2020)に続き、南仏コートダジュール(French Riviera、フレンチリビエラ)で開催される第7戦モナコGP(Monaco Grand Prix 2020)は中止となった。

 F1のチェイス・キャリー(Chase Carey)最高経営責任者(CEO)は前週、今シーズンのカレンダーを当初の全22戦から「15~18戦程度」に短縮し、夏までに開幕したい意向を示していた。(c)AFP