【4月4日 CNS】中国ではこの数日、山東省(Shandong)徳州市(Dezhou)、貴州省(Guizhou)貴陽市(Guiyang)などで、相次いで海外から流入した新型コロナウイルスの無症状感染者に関するニュースが報じられている。浙江省(Zhejiang)嘉興市(Jiaxing)では、海外から流入した無症状感染者と接触したことで新たな感染者が出た。

 中国疾病予防抑制センターの曾光(Zeng Guang)主席科学者は3月29日、「マクロ的見地からいえば、中国国内では本土で新たに発生した感染者が基本的に『ゼロ』となり、感染対策の効果が上がっている。無症状感染者は国内の感染情勢が改善する方向に向かうことを止めるものではない。重視する必要はあるが、恐れる必要はない」と語った。

 しかし、留意すべきは、新型ウイルス感染の中では、無症状感染者の比率が相対的に高いことだ。武漢児童医院の児童の感染者115人に対して分析を行ったところ、無症状感染者が53%を占めていた。学術雑誌「ネイチャー(Nature)」に掲載された論文には「30~60%の感染者は無症状かあるいは軽症だった」とある。

 中央政府の新型コロナウイルス肺炎感染対策指導チームが3月26日に開いた会議で、感染症対策の後半戦の重点として「無症状感染者の予防治療を特に重視しなければならない」としている。

■複数の措置で「潜伏者」に対応

 中国が新型ウイルスの「潜伏者」を見つける方法は主に以下の4つだ。新型ウイルス肺炎の濃厚接触者の医学観察期間中の検査、集団感染調査の中の検査、感染源追跡の中で発見された集団に対する検査のほか、、感染継続地域の居住者に対する検査だ。無症状感染者が見つかった場合、隔離観察を行い、核酸検査の結果が陰性となってから退院が許される。

 専門家は市民に対し、自身の症状をよく見てせきや倦怠(けんたい)感、喉の痛みなどがないか常に留意すること、自己防御を心掛け、人が多く集まる場所ではマスクをしてリスクを回避するように努めることを勧めている。(c)CNS/JCM/AFPBB News