【3月22日 CNS】現在、中国の新型ウイルスの感染状況は好転しており、10を超える省で感染者ゼロとなっている。経営活動の再開、市場の再開、学校の授業の再開など、国民生活は正常さを取り戻しつつある。

 しかし、「感染者ゼロ」は「リスクゼロ」と同じ意味ではない。海外からの流入リスクの増大、各業界での秩序回復の中での感染対策など、まだまだ慎重かつ着実に対応することが多い。

 先月12日にチベット自治区(Tibet Autonomous Region)が全国に先駆けて「感染者ゼロ」となって以来、今月16日午後の時点で14の省が「感染者ゼロ」となった。「ゼロ」となった地域は、チベット、青海(Qinghai)、福建(Fujian)、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)などだ。

■「感染者ゼロ」後も着実に対策を行い、徐々に秩序回復を

 この間、これらの「感染者ゼロ」の地域で、地方政府のトップが相次いで地元の飲食店を訪れ、率先して消費を促した記事がネットユーザーの中で反響となっている。地方政府のトップが第一線に赴き、経営活動の再開を自ら指導し、消費を促し、自ら体温を測定し店に入るなど、身をもって範を示すやり方は、正常な生活と感染症対策のバランスの取り方を暗示している。

 すでに「感染者ゼロ」となった省では、生産と生活を正常な秩序に戻しつつ、感染症対策を緻密かつ着実に実行する事が重要な前提だ。

 例えば、青海省は15日、全省の全ての飲食店に対して通達を行い、即日、全面的な営業再開を求めた。支払いはQRコードの使用を提案し、オンライン注文、オフライン持ち帰り、ピーク時をずらして店内で食事、間隔を空けて並ぶなどの多種の方法を奨励している。

 感染状況が好転する中で、全国的に地域別、レベル別で経営活動が再開し始めて一定の時間がたった。「感染者ゼロ」の省では、ピークをずらして学校の授業を進めることも計画されている。

 授業再開の基準について、教育部は2月28日、3つの原則を通達している。すなわち、感染が抑制されていること、学校の基本的な予防抑制条件がそろっていること、そして教師と生徒と校内の公衆衛生の安全が担保されていること。これらがすべてそろえば再開可能とされる。

■「感染者ゼロ」でも「感染症対策ゼロ」は不可!

「感染者ゼロ」でも「感染症対策ゼロ」は許されない。甘粛省と河南省で、地元の患者ゼロとなった後で、海外からの流入感染者が発見されている。現在、海外から流入した感染者は、河南1人、甘粛42人となっている。

 中国でのウイルスとの闘いは3月に入っても引き続き好転しているが、一方で、世界的には「大流行」の段階へと入った。すでに「感染者ゼロ」となった地域でも、今後は「外からの流入」を防止し、感染の揺れ戻しに警戒するよう指示が出されている。(c)CNS/JCM/AFPBB News