【3月27日 AFP】米国が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の新たな中心地としての様相を急速に強めている。26日には新規感染者数が急増したほか、失業保険申請数が史上最多に達していることが発表された。

 米国では、感染者の急増に対応しきれない病院が増加。人口のおよそ4割が外出制限下に置かれている。一方でニューヨーク株式市場は、上院が2兆ドル(約220兆円)の救済策を可決したことを受け上昇し、今月の大幅な下落分をさらに回復させた。

 感染者が集中するニューヨークでは、1日の死者が100人を突破。クイーンズ(Queens)区ジャクソンハイツ(Jackson Heights)の病院前では、警官らが監視する中、軽食をつまみながら検査の順番を待つ人々が1メートル間隔で長蛇の列をつくった。

 米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の集計によると、新型コロナウイルスによる死者数は25日夜までに1000人の大台に達し、26日午前時点での感染者数は6万9246人。ニューヨークの死者数は385人となっている。

 米国の感染者数は、世界の感染者数で1・2位の中国とイタリアに迫っている。専門家らは、死者数は米国以外の国の方が依然として多いものの、新規感染者数をみると米国の死者数は今後増えると予想。また検査キットが不足していることから、実際の感染者数は公式統計を大幅に上回る可能性があると指摘している。

 世界最大の規模を誇る米経済はすでに、新型コロナウイルスにより大打撃を受けており、景気後退に陥るとみられている。米労働省の発表によると、先週の失業保険申請数は約330万件で、これまでの最多記録を大幅に更新した。(c)AFP/Diane Desobeau with Shaun Tandon in Washington