【3月25日 AFP】国際馬術連盟(FEI)のイングマール・デボス(Ingmar De Vos)会長は24日、東京五輪の延期は国際オリンピック委員会(IOC)が夏季五輪の開催時期を見直す良い機会だと述べた。

 IOCは同日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を理由に東京五輪を延期し、遅くとも2021年夏までに開催すると発表した。

 FEIのデボス会長は「気温と湿度がより低い時期を模索するよう」主催者に促した。

 来年の夏には第18回世界陸上オレゴン大会(World Athletics Championships Oregon 21)や第20回世界水泳選手権(20th FINA World Championships)の他、今夏から延期になったサッカー欧州選手権(UEFA Euro 2020)の開催が予定されており、五輪は過密化したスケジュールの中でスペースを争わなくてはならない可能性がある。

 ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)と国際水泳連盟(FINA)は、世界選手権の日程変更を即座に示唆したが、以前から東京の暑さを心配してきたFEIは大会の時期を再考するよう五輪側に呼びかけた。

 今年の五輪はもともと、東京の気温が30度を超える7月24日から8月9日に行われる予定だった。

 デボス会長はAFPに対し、「われわれは万全の準備ができていたし、暑さや湿度が馬に与える影響を理解するため、あらゆる科学的研究を行った」と話した。

「しかし、IOCはもう一度そのことに目を向け、天候面でより良い日程を選んではどうだろう。これはチャンスかもしれない」「より気温と湿度が低い日程を模索する機会だ。それを最大限に生かす取り組みを、われわれはサポートする」

 五輪の日程を懸念しているのはデボス会長だけではない。自転車ロードレースのアワーレコード(1時間の走行距離)で世界記録を保持する同胞のヴィクトール・カンペナールツ(Victor Campenaerts)は、東京五輪の延期を歓迎する姿勢を見せたが、個人的には夏の暑さの中でのレースを望むと明かした。

 カンペナールツは「五輪が11月から12月に開催されるといううわさがあった」とした上で、「しかし、夏季五輪が冬に行われれば、とても変な感じになると思う」とコメントした。(c)AFP