【3月23日 AFP】ロンドン五輪の競泳男子100メートル平泳ぎで金メダルを獲得したキャメロン・ファンデルバーグ(Cameron van der Burgh、南アフリカ)氏は22日、新型コロナウイルスに感染していたと明かし、このウイルスが東京五輪の候補選手にどのような影響をもたらし得るのかについての考えを述べた。

 ファンデルバーグ氏はツイッター(Twitter)に「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と闘ってきょうで14日」と記した。

「私は健康で強い肺を持ち(非喫煙者でスポーツをしている)、健康的な生活を送り、年齢も若い(人口統計学上最もリスクが低い)が、それでも(新型コロナウイルスは)これまでの中で間違いなく最悪のウイルスだった」

 同種目の元世界記録保持者で、2018年に現役を引退したファンデルバーグ氏は、31歳になった現在も健康体を維持しており、新型コロナウイルスによる深刻な影響を最も受けにくいと思われていた一人だったが、衰弱の症状が長引いていると話した。

「最もつらい症状(高熱)は和らいだが、まだ激しい倦怠(けんたい)感とせきに悩まされている」「ウオーキングなど体を動かすと、数時間は疲れ切った状態が続く」

 リオデジャネイロ五輪でも同種目で銀メダルを獲得したファンデルバーグ氏は、2018年の第14回世界短水路選手権(FINA Short Course World Swimming Championships 2018)で優勝した後に引退した。

 新型コロナウイルスに感染すれば、どんなアスリートもトレーニングで深刻な打撃を受けるだろうとファンデルバーグ氏は述べた。

「体のコンディション低下は計り知れないし、最後のトレーニング周期から現在のコンディションを著しく損なうことになるため、COVID-19になったアスリートには同情するしかない。大会が迫っている段階での感染は最悪」

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に伴い、国際オリンピック委員会(IOC)が直面する東京五輪延期への圧力が日々高まる中、ファンデルバーグ氏は、五輪の候補選手が準備しようとすることで自身の健康を危険にさらすのではないかと危惧した。

「夏季五輪についての明確な説明がなければ、選手は練習を続けるだろう。そうすれば、彼らは自分自身を不必要なリスクにさらすことになる。さらに、実際に感染した人は急いでトレーニングに復帰しようとするから、ダメージが大きくなったり回復期間が長引いたりする可能性が非常に高い」

「どうか皆さん、自分の体を大切にしてほしい! 健康第一。COVID-19は笑いごとじゃない!」 (c)AFP