【3月22日 AFP】全米陸上競技連盟(USATF)は21日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受け、東京五輪延期を提唱するよう同国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)に要請した。

 USATFのマックス・シーゲル(Max Siegel)最高経営責任者(CEO)は、USOPCに宛てた書簡で、五輪の準備を進めることは「選手にとって得策ではない」と伝えた。

 USOPCが7月24日から8月9日まで開催される大会の延期の判断は時期尚早と発表したことを受け、米国水泳連盟(USA Swimming)は20日に大会延期を要求しており、USATFもこれに同調する形となった。

 シーゲルCEOは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)による選手の健康と安全、練習状況や大会スケジュールの混乱等に言及し、USOPCに延期を支持するよう求めた。

「選手はとてつもないプレッシャー、ストレス、そして不安を抱えている。彼らのメンタルヘルスと健康はわれわれの最優先事項の一つだ」

「健康と安全を優先し、この困難な状況が選手と彼らの五輪に向けた準備に与えている、そして今後も与え続けられていく影響を適正に評価することが、取るべき責任ある正しい行動だ」「こういった理由からUSATFはUSOPCに対し、IOCに2020年東京五輪の延期を提唱するよう要請する」

 一方でシーゲルCEOは、延期は「極めて複雑で難しい決定」であり「完全な答えはない」と認めている。

「立場上われわれは、最低でも選手に安心を提供しなければならない。肉体的、メンタル的、そして感情的にも安全に準備し、五輪で成功するための十分な時間があることを知ってもらう。そうすることで彼らは彼ら自身や家族へのケアに焦点を移すことが可能となる」

「われわれはUSOPCに、五輪ムーブメントのリーダーとして、その発言権を行使し、アスリートのために声を上げるべきだと提言する」 (c)AFP/Rob Woollard