【3月21日 AFP】新型コロナウイルスが世界的な大流行となっている中、2020年東京五輪を予定通り7月24日から8月9日まで開催することを疑問視する声が高まっている。議論が激しくなる中、AFPは関係者の発言に注目した。

「もちろん、われわれは別のシナリオを検討しているが、大会まであと4か月半ある中で、多くの競技団体やプロリーグとは逆の立場だ」

――国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長

「この状況下ではどのような解決策も理想的ではなく、だからこそわれわれはアスリートの責任感と団結に期待している」
――IOC広報担当者

「現段階では何でも起こり得る」
――ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長

「米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)が2020年東京五輪を1年先の2021年に延期することを提案するように、謹んでお願いする」
――米国水泳連盟(USA Swimming)のティム・ヒンチー(Tim Hinchey)最高経営責任者(CEO)

「(延期が)最良であるのは、アスリートがパフォーマンスを発揮するためだけでなく、彼らが現在経験している精神衛生の上でもそうだ」
――五輪で金メダル23個を含む合計28個のメダルを獲得した米国の元競泳選手、マイケル・フェルプス(Michael Phelps)氏の元指導者ボブ・ボウマン(Bob Bowman)氏

「IOCは選手が毎日トレーニングをすることで私たちの健康、私たち家族と公衆の健康を危険にさらし続けたいのだろうか? あなたたちは4か月後の私たちではなく、きょう今現在の私たちを危険にさらしている」
――リオデジャネイロ五輪女子棒高跳びの金メダリスト、カテリナ・ステファニディ(Katerina Stefanidi、ギリシャ)

「IOCがこれだけ断固として続行を強調するのは、人類の状況を踏まえれば、無神経で無責任だと思う」
――IOC委員で、元アイスホッケー女子カナダ代表として4大会連続の五輪金メダリストとなったヘイリー・ウィッケンハイザー(Hayley Wickenheiser)氏

「結論を出す必要はない。五輪は来週や再来週の話ではない。まだ4か月ある。そこで、IOCには情報と専門家の助言を集める機会を与えている」
――USOPCのスザンヌ・ライオンズ(Susanne Lyons)会長

「アスリートに関して、五輪の扱いが少し不安になってきた。われわれは五輪が開催されると言われ続けている。アスリートの準備や精神衛生よりも、五輪を続けることの方が重要なのだと認識し始めている」
――フェンシング男子フルーレの米国王者レース・インボーデン(Race Imboden

「アスリートが十分に練習できていない現状では延期すべきだ」
――日本オリンピック委員会(JOC)理事で元柔道女子五輪代表の山口香(Kaori Yamaguchi)氏

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