【3月21日 AFP】米ナショナルフットボール(NFL)で通算6度のスーパーボウル(Super Bowl)制覇を成し遂げた実績を持つQBトム・ブレイディ(Tom Brady)が20日、タンパベイ・バッカニアーズ(Tampa Bay Buccaneers)と正式契約を結んだと発表した。

 シーズン最優秀選手(MVP)に3度選出されている名選手で、8月に43歳になるブレイディは、17日に20年間を過ごしたニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)を退団すると発表。同球団ではビル・ベリチック(Bill Belichick)ヘッドコーチ(HC)の下で、リーグ史上最多の優勝回数を記録した。

 ブレイディは自身のインスタグラム(Instagram)アカウントに契約書にサインしている画像を投稿し、「高揚し、恐縮し、そして渇望している」とすると、「アメフトで学んだことを一つ挙げるなら、前年やさらに前の年の実績は誰も気にしないということだ。周囲から信頼とリスペクトを稼ぐのは日々の献身だ」とつづった。

「新しいアメフトの旅の始まりだ。自分が愛する仕事をする機会を与えてくれたバッカニアーズに感謝している。新しいチームメートやコーチ陣の皆さんに会い、自分は信用と信頼に足りると示すことを楽しみにしている」「言葉より行動で示すことを常に信条としている。だから、それ以上は言うつもりはない」「仕事に取り掛かろう」

 バッカニアーズはブレイディと「複数年」契約にサインしたと公表するにとどまったが、米スポーツ専門チャンネルESPNとNFL専門チャンネルのNFLネットワーク(NFL Network)によると、契約内容は2年総額5000万ドル(約55億5000万円)の保証付きで、シーズンにつき最大450万ドル(約5億円)の出来高払いも含まれているという。

 さらにESPNの報道では、契約にはトレード拒否条項が含まれていることに加え、フランチャイズプレーヤーに指名することを禁止する内容となっており、この動きはブレイディが2021年シーズンの後も現役を続ける可能性が示されている。

 サッカーイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)を所有するグレーザー(Glazer)家がオーナーを務めているバッカニアーズは、2007年シーズンを最後に12年連続でプレーオフを逃しており、これは現在も続いている年数としてはクリーブランド・ブラウンズ(Cleveland Browns)に次いで悪い記録となっている。

 しかし、ブレイディが奇跡を起こすことができれば、バッカニアーズは本拠地レイモンド・ジェームス・スタジアム(Raymond James Stadium)で次回のスーパーボウル(Super Bowl LV)を迎えることになる。(c)AFP