■一時帰休、一時解雇

 スポーツ用品大手ナイキ(Nike)、大手百貨店メーシーズ(Macy's)、アパレル大手ギャップ(Gap)など米小売り業界も相次いで、一部または全店舗を閉鎖している。電子機器大手アップル(Apple)は、中国を除いた世界中の全アップルストアを今月27日まで閉鎖すると発表した。

 旅行業界は特に悲惨な状況だ。米ホテルチェーン大手マリオット・インターナショナル(Marriott International)は一部ホテルを閉鎖し、従業員数万人を一時帰休にしている。

 航空各社は、需要の急激な落ち込みと各国政府による渡航制限というダブルパンチを受けている。

 航空会社アエロフロート・ロシア航空(Aeroflot Russian Airlines)は休暇が余っている従業員に対し、休むよう要請している。仏航空大手エールフランス(Air France)は、勤務時間の短縮を計画している。複数の国がパートタイムで働くことを余儀なくされた労働者への支援を強化していることからこの措置にしたという。

 従業員の一時帰休制限を緩和している国もあり、フォルクスワーゲン傘下のスペイン自動車メーカー、セアト(SEAT)は一時帰休に踏み切った。

 一方、英携帯電話小売りのディクソンズ・カーフォン(Dixons Carphone)は、「激動の時代」に直面しているため2900人を解雇すると述べている。

■経費削減

 エールフランスを傘下に収める持ち株会社エールフランスKLM(Air France KLM)は90%の減便を実施している他、2020年に予定していた3億5000万ユーロ(約415億円)の投資も削減する予定だ。

 オーストラリア航空最大手カンタス航空(Qantas Airways)は19日、今月末からすべての国際便の運航を停止すると発表。その数日前には、ヴァージン・オーストラリア(Virgin Australia)が全国際便の運航を停止していた。

 株主らもこの打撃から逃れることはできない。

 最大90%の減便をしている独ルフトハンザ航空(Lufthansa)は、配当の支払いを停止すると発表した。ファストファッションブランド「ザラ(Zara)」などを展開するスペインのインディテックス(Inditex)も、2019~20会計年度の純利益36億ユーロ(約4300億円)の配当を支払うかどうかの決定を先送りし、2億8700万ユーロ(約340億円)の引当金を計上した。

■国の支援

 国からの支援も期待されている。

 ドイツ政府は国営金融機関ドイツ復興金融公庫(KfW)を通じ、損害を受けた企業に「無制限」の融資を行うことを表明した。

 米航空各社は、政府に500億ドル(約5兆5000億円)の支援を要請している。また航空大手ボーイング(Boeing)は、航空宇宙産業に少なくとも600億ドル(約6兆6000億円)の支援を求めている。

 イタリア政府は経営破綻したアリタリア航空(Alitalia)を、緊急経済支援策の一環で国有化する方針を表明した。また、フランスのブリュノ・ルメール(Bruno Le Maire)経済・財務相は、「必要ならば」大企業の国有化も辞さない考えを示している。(c)AFP/Richard LEIN