【3月19日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受けて民間療法への関心が高まるインドで、警察は17日、新型ウイルス対策として牛の尿を飲むパーティーを主催し、参加者に飲尿を強要したとして、与党インド人民党(BJP)の党員を逮捕した。

 コルカタ(Kolkata)警察のアヌジ・シャルマ(Anuj Sharma)署長がAFPに明らかにしたところによると、逮捕されたのは、ナラヤン・チャタルジー(Narayan Chatterjee)容疑者。

 このパーティーに任意で参加した市民が17日、体調を崩して告訴したことを受けて、西ベンガル(West Bengal)州警察は同日夜、チャタルジー容疑者を逮捕した。

 同州フーグリー(Hooghly)県の警察も同日、「新型コロナウイルスよけ」とうたい、牛の尿とふんを販売したとして、牛乳販売店を営むシェイク・マスド(Sheikh Masud)容疑者を逮捕した。同警察のフマヤン・カビル(Humayan Kabir)氏がAFPに明らかにした。

 マスド容疑者は、牛の尿を1リットル当たり500ルピー(約720円)、牛のふんを1キロ当たり400ルピー(約580円)で販売していた。首都ニューデリーで牛の尿を飲むパーティーが開催されたと聞いて、牛の尿とふんを売ることを思い付いたという。

 マスド容疑者の店には、「牛の尿を飲んでコロナウイルス撃退」と書かれたポスターが張られていたという。

 13億人の人口を抱え、ヒンズー教徒が大多数を占めるインドでは、牛は聖なる動物で、その尿は関節炎からぜんそく、がん、糖尿病に至るまで万病に効く特効薬とみなされている。一方、牛の尿が万能薬であるという主張はいんちきだと否定する声もある。(c)AFP