【3月19日 AFP】米IT大手のフェイスブック(Facebook)とグーグル(Google)は、新型コロナウイルスの流行状況追跡と対策のためにユーザーの個人情報を利用する計画について米政府と協議している。米メディアが報じた。

 この計画では、米国民のスマートフォンから位置情報を収集し、個人が特定できない形で使用して、新型ウイルスの拡大状況把握や喫緊の医療需要予測などを行う。

 グーグルの広報担当者は米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)に宛てた声明で、「収集・匿名化された位置情報をCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)との闘いにどう役立てられるかを検討している」ことを認めた。

 AFPは両社にコメントを求めたが、返答は得られなかった。

 米国では、2011年に発覚した国家安全保障局(National Security Agency)による通話記録の無断収集などのスキャンダルを受け、個人情報の利用が非常にデリケートな問題となっている。

 だが先週には、約50人の医師や疫学者、研究者らが、IT企業に行動を起こすよう訴える公開書簡に署名。シリコンバレー(Silicon Valley)の知見を新型ウイルス拡大阻止に活用することを求める声が強まっていた。

 公開書簡は、IT大手による「大規模な対策」が「このパンデミック(世界的な大流行)を封じ込め、数千人、あるいは数百万人の命を救うために局面を有利に変える可能性があるのは明白だ」と訴えている。(c)AFP