【3月16日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis、83)は15日、バチカン市国を出てイタリアの首都ローマ市内に赴き、事前の予告なくある教会を訪れて祈りをささげた。イタリアではこの日、新型コロナウイルスによる死者数が1日としてはこれまでで最も多い368人に上った。

 ここ数世代で最大の危機に陥っているイタリアでは病床が不足し、国全体が事実上封鎖されている。ローマ市内の通りには、ジョギングをする人や買い物袋を提げた地元住民が時折姿を見せるだけとなっている。

 フランシスコ教皇も2週間以上前から風邪を引いており、世界の13億人のカトリック教徒とのコミュニケーションはライブストリーミングで行っている。

 しかしローマ教皇庁(バチカン)によると、教皇はこの日、同市のサンタマリアマジョーレ大聖堂(Basilica of Santa Maria Maggiore)を訪問。その後「巡礼に出るかのように徒歩で」サンマルチェロアルコルソ教会(San Marcello al Corso Church)まで歩いたという。

 同庁は教皇がこの教会を選んだ理由について、大疫病が終息した「1522年に市内各地を巡行した奇跡の十字架」があるためだと説明した。

 同庁によると教皇は「イタリアと世界に影響を及ぼしている今回のパンデミック(世界的な大流行)の収束」を祈るとともに、「大勢の感染者の癒やしを乞い、多くの死者を追悼した」という。(c)AFP/Dmitry ZAKS