【3月19日 東方新報】中国・江西省(Jiangxi)南昌市(Nanchang)のハイテク経済区の瑤湖(Yaohu)空港で2日、中国の国産旅客機「C919」105番機の地上走行テストが行われた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2021年の就航予定が遅れるのではないかと心配されているが、メーカーの中国商用飛機(COMAC)はすでに完全に再稼働しているという。

 この日は約4時間7分にわたり、ぬれた路面でのテストを行った。105番機は昨年、上海浦東空港(Shanghai Pudong International Airport)を出発して瑤湖空港に到着するという初の中遠距離飛行テストを行った。しかし、その後の地上テストを含む検証については、新型ウイルスの影響で中断されていた。試験飛行チームのメンバーは事前に隔離、検温を行い、外地から南昌の飛行テスト基地に正式に復帰した。

 2月23日には、106番機が浦東空港から山東省(Shandong)東営勝利空港(Dongying Shengli Airport)に到着、約2時間の試験飛行を無事終えた。106番機はC919の6番目で、試験飛行を行った最後の機体。これでC919試作機のすべてが飛行場移動の試験飛行任務を済ませたことになる。上海浦東、江西南昌、山東東営、陝西(Shaanxi)閻良(Yanliang)の試験飛行基地で、同時並行で地上試験、検証が進行中という。

 C919は、COMACが製造する中国の国産大型旅客機プロジェクトの重点機の一つ。中国発の国際航空基準にのっとって自主開発した150座席級のナローボディー機種で、飛行距離は4075キロから5555キロ。2008年に開発がスタートし、2017年5月5日に初飛行に成功している。

 一方、同機には米ゼネラル・エレクトリック(GE)がフランスのサフラン(Safran)と合弁で製造する旅客機用ジェットエンジンLEAP-1Cが搭載されているが、米政府はエンジン技術が中国にリバースエンジニアリングによってコピーされることを懸念して、対中輸出の差し止めを検討中であることが2月16日に米メディアで報じられた。

 中国外交部はこの懸念に反論しているが、もし米国側がこうした関連技術製品の禁輸を決定すれば、これは新型ウイルスよりもC919の就航に影響を与えるかもしれない。(c)東方新報/AFPBB News