【1月30日 東方新報】28日深夜、関西発上海行きの吉祥航空(Juneyao Airlines)HO1340便は、湖北省(Hubei)の乗客94人を乗せ、武漢(Wuhan)の空港に着陸した。新型コロナウイルスの感染の中心地である湖北省に帰る乗客に便宜を図り、乗り継ぎ都市に迷惑をかけないよう、飛行中に「行き先変更」をしたのだ。

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 計画によると、この便は関西国際空港(Kansai International Airport)を午後9時にたち、2時間後に上海浦東空港(Shanghai Pudong International Airport)に到着する予定だった。

 しかし、上海の近くの空域に到達した時、機体は高度を下げないばかりか、逆に2万8000フィートから3万1000フィートまで上げ、武漢に向かった。乗客は無事に武漢天河国際空港(Wuhan Tianhe International Airport)に到着。同時に吉祥航空が寄贈品として準備した19箱の感染対策物資も運ばれた。

 吉祥航空によると、今回の臨時の行き先変更は、何回もの事前協議と調整を経て行ったもので、主管部門に申請した後に実行したという。

 武漢市が「封鎖」された後、海外と湖北省をつなぐ空の便が閉鎖されたため、海外にいる数千人の湖北省の人は自分の家に帰ることが難しくなった。多くはほかの都市を経由して帰ることを選び、一部は海外にとどまることを選択した。多くの旅客が乗り継ぐことは、不便である上に、新型ウイルスが猛威を振るう中では、中継都市にとっても問題だ。

 吉祥航空は、感染対策と湖北省の人の必要性の両面を考慮し、関係部門との事前協議と調整を何回も行い、HO1340便を予約していたほかの旅客には、別のフライトに変更してもらった。

 定員198人のエアバス(Airbus)A321機で運航されたHO1340便は、武漢市が「封鎖」されてから同市の空港に初めて着陸した商業フライトとなった。客が飛行機から降り、貨物の荷下ろし完了後、HO1340便は客を乗せずに上海に戻り、防疫消毒を受けた。規定により、全ての乗務員は14日間隔離され、医学的観察を受けなければならない。(c)東方新報/AFPBB News