【3月14日 AFP】パニックにならないで。でも、高リスクの人たちのことを考えて、体調が悪いと感じたら外出しないで──新型コロナウイルス感染症(COVID-19)陽性とされ回復した米国人女性は、不安な人たちに向けこのようなシンプルなメッセージを発している。

 エリザベス・シュナイダー(Elizabeth Schneider)さん(37)が住む米ワシントン州の最大都市シアトル(Seattle)は、世界的に流行している新型コロナウイルスによる感染症で、米国で最も多くの死者が出ている。シュナイダーさんは「みんなが少しでも希望を持ってくれれば」との思いから、11日のAFPのインタビューで自らの体験を語ってくれた。

 とはいえ、「もちろん、のんきに構えていればいいという話ではない。高齢者、基礎疾患のある人はたくさんいるから」だ。

 つまり、もし体調が悪いなと感じたら、そういう高リスクの人たちに自分が近づかないよう、「細心の注意を払って外出を控えるべきだ」と説明する。

 インフルエンザのような症状が初めてシュナイダーさんに現れたのは2月25日、あるパーティーへ出席した3日後だった。

「朝起きたら、倦怠(けんたい)感があった。でも、その前の週はずっとものすごく忙しかったし、仕事に行かなくちゃと思って起きたときにいつも感じるだるさと変わらなかった」

 しかし昼前には頭痛が始まり、熱も出て、体のあちこちが痛くなった。バイオ技術企業のマーケティングマネジャーを務めているシュナイダーさんは、半休をとって家に帰ることにした。

 しばらく寝て起きてみると、大変な高熱になっていた。測ってみると、39.4度もあった。「その頃にはもう震えが止まらなくなっていて、悪寒もし、手足がヒリヒリと痛んだ。それでちょっと不安になった」

 シュナイダーさんは薬局へ行ってインフルエンザの薬をもらった。熱は数日のうちに下がり始めた。新型コロナウイルスに感染したときによく見られるせきや息切れといった症状はなかったため、「大丈夫、これは新型コロナウイルスではない」と思ったのだ。