【3月13日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が新型コロナウイルスの影響で東京五輪を延期すべきかもしれないと発言したことを受け、政府は13日、大会の準備は順調に進んでいるとした上で、延期や中止は想定していないと応じた。

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 7月24日に開幕が予定されている東京五輪の行方は、今やパンデミック(世界的な大流行)となった新型コロナウイルスの影響により不透明となっている。

 菅義偉(Yoshihide Suga)官房長官は13日の定例会見で、「政府としては予定通りの大会開催に向けて、国際オリンピック委員会(IOC)や組織委員会、東京都の間で緊密に連携を取りながら、その準備を着実に進めていく考え方に変わりありません」と述べた。

 菅官房長官によると、安倍晋三(Shinzo Abe)首相とトランプ大統領は、新型コロナウイルスや五輪について電話会談を行ったという。しかしながら、大会延期についての提案が大統領から繰り返しあったかについては、言及しなかった。

「トランプ大統領との電話会談では、総理より開催に向けた努力につき言及し、大統領からはわが国の透明性ある努力を評価する発言があった」

 また菅官房長官は、選手団による出場の取りやめや無観客については「想定していません」とコメントしている。

 一方で橋本聖子(Seiko Hashimoto)五輪相は、トランプ大統領の発言を受けて閣議後に「IOCも組織委員会も、大会の中止や延期は一切検討していない」と応じた。

 トランプ大統領は12日、ホワイトハウス(White House)の大統領執務室(Oval Office)で記者団に対し、「1年間延期した方がよいかもしれない」と表明。「残念」だが「無観客よりはましだ」との見解を示していた。(c)AFP