【3月12日 AFP】米民主党のバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員は11日、民主党の大統領候補者指名争いから間もなく撤退するとの臆測を否定し、現在トップにつける中道派のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領との戦いを継続すると表明した。党の結束のため、サンダース氏には指名争いからの撤退を求める圧力が高まっていた。

 サンダース氏はテレビで生中継された短く、熱のこもった演説で、自身の最優先事項は「危険な」ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の打倒を目にすることだと言明。民主党議員の多くがバイデン氏に比べ、自身が大統領選で勝利する可能性は低いとみていることも認めた。10日に6州で行われた予備選挙では多くで敗北という厳しい結果を受け、サンダース氏は地元バーモント州にとどまり、一夜を明かしていた。

 民主党の活動家からは、打倒トランプ氏を目指す選挙活動にバイデン氏が全力で集中できるよう、サンダース氏の撤退を求める声が高まっており、サンダース氏がこれに応じるのとの臆測が広がっていた。

 だが急進左派のサンダース氏は11日、沈黙を破り、自身の予備選の結果にもかかわらず指名争いを継続し、自身の「親友ジョー・バイデン」との15日に予定されているテレビ討論会の準備を行っていると明らかにした。サンダース氏が一対一のテレビ討論に臨むのは、これが初となる。

 サンダース氏は予備選中、挑戦的な姿勢を保ちつつも、自らの敗北や「(大統領に)選出される可能性をめぐる議論で劣勢にある」ことを認めるなど、異例の発言を複数回、行っている。

 10日の予備選でサンダース氏はノースダコタ州で勝利を収めた。(c)AFP/Bastien INZAURRALDE, Sebastian Smith