【3月11日 AFP】米大統領選の民主党候補指名争いにおいて、70代の白人男性2人に候補が絞られている。

 今後は、共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)現大統領(73)を打ち負かす決意に満ちていること以外、政治的にはほとんど共通点のないジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領(77)とバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員(78)の一騎打ちとなる。

■政治

 民主社会主義者のサンダース氏は、全く妥協しない姿勢で国民皆保険制度や富裕層への増税、大学無償化などを誇らしげに掲げている。同氏は、米北東部バーモント州バーリントン(Burlington)の市長から政治キャリアをスタートさせ、1991年に同州選出の下院議員に初当選。2007年から上院議員を務めている。

 一方、党派を超えた交渉力の持ち主である中道派のバイデン氏は、デラウェア州選出の上院議員を36年務め、2009年から17年はバラク・オバマ(Barack Obama)政権の副大統領を務めた。政策は、既存の保険制度の改善やより緩やかな富裕層への課税などサンダース氏よりも穏健。ホワイトハウス(White House)での経験が売りだが、共和党に譲歩しすぎだとの批判もある。

■年齢と健康

 77歳のバイデン氏、78歳のサンダース氏ともに民主党の指名を受ければ、米大統領候補としては史上最年長となる。

 バイデン氏の担当医が昨年12月に発表したところによると、同氏は不整脈を抑える薬を飲んでいる。1988年に脳動脈瘤(りゅう)と肺血栓の治療を受けてからは、健康上懸念される重大な問題はない。

 サンダース氏は昨年10月に心筋梗塞を起こし、閉塞(へいそく)した動脈へのステント挿入手術を受けた。以降は目立った後遺症もなく選挙運動の強行スケジュールをこなしているが、診療記録の公開は拒んでいる。

 一方、認知能力は年齢とともに自然に衰えるものだが、失言に関してはサンダース氏よりもバイデン氏の方が多い。最近も聴衆への自己紹介で「私はジョー・バイデン。民主党の米上院議員候補です」と述べたことがあった。