【3月16日 CNS】家にいながらスマホを通じて診断を受ける──そんな夢のようなことが現実になった。中国・上海市徐匯区(Xuhui)の「徐匯雲病院(Xuhui Cloud Hospital)」は2月27日までに、上海市で初めて「インターネット病院」として営業を許可された公立病院となった。申し込みから問診、調剤までがネットを通じて可能となる。

 名称は「上海市徐匯区中心病院貫衆インターネット医院」。徐匯雲病院は、徐匯区中心病院を母体に造られたインターネット上の「エア病院」で、この4年間で180万人以上に相談や予約のサービスを提供し、登録ユーザーは17万人超に達する。徐匯区中心病院の朱福(Zhu Fu)院長は「患者はオンラインでの相談と予約の他に、呼吸器内科、総合診療科、循環器科など複数の専門医とオンライン上で対面して診察を受けられる。難病が疑われる際は、複数の医師による共同診断もしている」と説明する。

 医師は開業医の資格を持ち、3年以上の臨床経験を持っている。自分のスケジュールの空いた時間を患者の予約時間と組み合わせ、相談に応じている。

 復旦大学(Fudan University)付属中山病院徐匯医院の周倹(Zhou Jian)院長は「新型コロナウイルスの流行以降、徐匯区中心病院は直ちに徐匯雲病院のアプリを立ち上げ、微信(ウィーチャット、WeChat)に『新型コロナウイルス対策室』もつくった。無料相談や感染防止のための知識、そしてオンライン無料診療サービスを提供している」と話す。

 1月31日には、徐匯区中心病院がインターネット病院と共同で「上海市発熱相談プラットホーム」を設立。上海市のビッグデータセンターとリンクし、これまでに11万6000人にサービスを提供している。

 オンライン診療を充実させるため、各大学病院はネット上で対応するスケジュールを編成。多くの医師が直接の診察とネット上の診察という「両面作戦」で仕事に臨んでいる。(c)CNS/JCM/AFPBB News