【3月8日 CNS】中国・安徽省(Anhui)黄山(Huangshan)で先日発見されたジャコウネズミ(学名:Crocidura)が、研究の結果、2種類の哺乳類の新種であることが判明した。

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 黄山景勝地管理委員会園林局と生態環境部南京環境科学研究所と安徽大学(Anhui University)が共同で進めている「黄山野生動物観測合作プロジェクト」は、ジャコウネズミ属の分類研究の中で重大な進展があったことを明らかにした。

 同プロジェクトチームは形態学と系統的発育学の視点で総合的に分析した結果、黄山の浮溪猴谷で採取したジャコウネズミ属の哺乳類2種が新種であることを確認、それぞれ「安徽ジャコウネズミ(学名:Crociduraanhuiensis)」と「黄山ジャコウネズミ(学名:Crocidurahuangshanensis)」と命名した。

 同研究成果は、中国科学院動物研究所などが主催している動物分類学報の英文版「Zoological Systematics」2019年第4期と2020年第1期で発表された。

 研究者によると、ジャコウネズミはトガリネズミ目、ジネズミ亜科の種で、アジア、欧州とアフリカに分布、大部分は熱帯と亜熱帯に集中、森林、平原、丘陵などで生息している。主として土壌の中の昆虫を食し、植物の花、果実や種を食べることもある。外観はネズミに似ており、体型は大、中、小3種の類型がある。

 今回、黄山で発見された2種の新種はいずれも中型の体形のジャコウネズミだ。安徽ジャコウネズミと黄山ジャコウネズミの新種の発見は、黄山景勝地の哺乳類動物の多様性を一層豊富にし、ジャコウネズミ属研究の空白を埋めるものだとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News