【3月7日 CNS】中国家林業・草原局は、国連(UN)が制定した「世界野生生物の日(World Wildlife Day)」の3月3日、「ジャイアントパンダ、トキ、アジアゾウ、チベットカモシカなど絶滅危惧野生動物の個体数の持続的な減少が増加に転じ、ソテツ科のサイカス・デバオエンシスなど野生植物は安定的に増加している」と発表した。

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 近年来、中国は野生動物の生息地保護と繁殖に力を入れている。野生動物や象牙などの製品の闇取引を取り締まり、法体系の確立、「野生動物感染源・疫病の主動的警報と観測体系」の整備などで、絶滅危惧野生動物の保護を継続的に強化してきた。

 同局は、これまでの成果を「現在、人工繁殖によって育ったジャイアントパンダの個体数は600頭に達した。野生のパンダの頭数回復と繁殖を支援し、1980年代の1114頭から1864頭まで増加した。アジアゾウは180頭から300頭に増え、チベットカモシカは7万5000頭に満たない個体数が30万頭以上にまで増加したため、保護等級を『絶滅危惧』から『準絶滅危惧』に引き下げた。トキは当初のわずか7羽から4000羽を超すまでになった」と説明する。

 野生植物に対しても、本来生育地での保護、転地保護、自然環境への回帰などの措置を取り、希少絶滅危惧種の保護を進めてきた。現在、中国には1万1800か所の自然保護地が設けられ、約65%の国家重点保護地で野生植物と希少野生植物の保護が行われている。

 サイカス・デバオエンシス、ニシキモクレン、ヒャクザンシラベなど100種近い希少野生植物の保護を実施して、一部の絶滅危惧種の個体群が徐々に増加した。

 同局によると、1981年に中国が「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES、ワシントン条約)」に加盟して以来、国際的な義務を履行するだけでなく、CITESよりさらに厳しい一連の措置を講じ、闇取引の取り締まり、公衆の意識レベル向上などの面で顕著な成果が上がったという。(c)CNS/JCM/AFPBB News