【3月7日 AFP】イタリア冬季スポーツ連盟(FISI)は6日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、16日から22日に同国コルティナダンペッツォ(Cortina d'Ampezzo)で予定されていたアルペンスキーW杯の最終戦を中止すると発表した。

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 イタリアでは新型コロナウイルス感染症「COVID-19」の感染者が4600人を超え、死亡者も197人と急激に増えていることから、先日には政府がすべての主要スポーツ大会を中止または延期にする法令を定めた。

 今回の決定により、今季のW杯は男子が全43戦のうち残り4レース、女子は全37戦のうち残り3レースのみとなった。また、シーズン短縮によって種目別ではスイスのベアト・フォイツ(Beat Feuz)が今季の男子滑降を制し、同胞のコリーヌ・スッター(Corinne Suter)が、女子滑降に続いてスーパー大回転のシーズン優勝を確定させた。

 一方、大接戦となっている総合優勝争いにも影響が出るとみられ、男子の首位に立つアレクシス・パンテュロー(Alexis Pinturault、フランス)と、女子の同2位につけるミカエラ・シフリン(Mikaela Shiffrin、米国)が終盤に向けて大きな重圧にさらされている。

 パンテュローは今週末、ノルウェー・クビートフィエル(Kvitfjell)大会で比較的に苦手な高速系種目の滑降とスーパー大回転が待ち構える厳しい日程となっている。優勝すれば100ポイントが与えられる中、ノルウェーのアレクサンデル・オーモット・キルデ(Aleksander Aamodt Kilde)が26ポイント差の2位、同じくノルウェーのヘンリク・クリストファーセン(Henrik Kristoffersen)が107ポイント差の3位でパンテュローに肉薄している。

 そのため、男子は7日の滑降、8日のスーパー大回転が、総合優勝のカギを握る重要な戦いの場となっている。翌週のスロベニア・クラニスカゴラ(Kranjska Gora)大会では、パンテュローの得意種目である大回転と回転のシーズン最終戦が行われることになっているが、オーモット・キルデは回転に出場する予定はない。

 一方、W杯で通算3度の総合優勝を誇る24歳のシフリンは、父親の死去で4週間戦列を離れていたが、得意種目の回転が行われる次週のスウェーデン・オーレ(Are)大会で復帰するとみられている。総合争いでは、首位に立つイタリアの万能選手フェデリカ・ブリニョネ(Federica Brignone)を153ポイント差で追いかけている。(c)AFP