【3月7日 AFP】男子テニスの国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2020)は6日、予選ラウンドの試合が各地で行われ、新型コロナウイルスの影響により2試合が無観客でのプレーとなったほか、選手は握手の代わりに拳同士を合わせ、ボールボーイとボールガールは手袋を装着して球を拾い、かごを使って汗で汚れたタオルに直接触れないなどの予防策が講じられた。

 この日は兵庫県三木市で日本対エクアドル、イタリア・カリアリ(Cagliari)でイタリア対韓国の試合が組まれていたが、いずれも会場は無観客で静まりかえった雰囲気の中で行われた。日本は今回、2016年を最後にデビスカップに出場していない錦織圭(Kei Nishikori)、そして西岡良仁(Yoshihito Nishioka)の国内トップ2を欠く中で試合に臨んだ。

 錦織は肘のけがが長引いて昨年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2019)以降戦列を離れており、世界48位の西岡は次週のBNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2020)を控え、米国に戻った際に隔離される可能性を回避するため、今回の代表チーム入りを見送った。

 第1試合では添田豪(Go Soeda)が5-7、6-7(3-7)でエミリオ・ゴメス(Emilio Gomez)に敗れると、内山靖崇(Yasutaka Uchiyama)は世界ランクで186位も格下のロベルト・キロス(Roberto Quiroz)に6-7(4-7)、6-2、6-7(8-10)の番狂わせを喫した。

 新型コロナウイルスの国内感染者が400人を超え、そのうち6人が死亡している日本にとって、エクアドルに0-2と先行を許したのはさらなる痛手となった。

 一方、これまで197人が死亡するなど欧州では最も大きな被害に見舞われているイタリアは、国内では来月まで全てのスポーツ大会が無観客で行われることになっている。

 会場には出場チームのほか、メディアと大会スタッフだけが入場を許されていた中、イタリアは第1試合に世界ランク11位のエース、ファビオ・フォニーニ(Fabio Fognini)が登場し、わずか1時間ほどで世界251位のイ・ダクヒ(Duck-hee Lee)を6-0、6-3で一蹴。続く第2試合では、世界ランク79位のジャンルカ・マーゲル(Gianluca Mager)が6-3、7-5で南智惺(Ji-Sung Nam、ナム・チソン)を下し、イタリアが2-0でリードした。

 フォニーニは試合後、「異様な雰囲気だった」とすると、「集中するのは難しくなかったが、100人ほどの前でプレーするのは少し違和感があった。だけど、安全第一で競技は二の次だ」と大会の公式サイトで語った。

 その他では、通算28度の大会制覇を誇るオーストラリアが、母国アデレード(Adelaide)でブラジルを迎え撃ち、第1試合ではジョーダン・トンプソン(Jordan Thompson)が6-4、6-4でチアゴ・モンテイロ(Thiago Monteiro)に快勝した。

 第2試合ではジョン・ミルマン(John Millman)が第1セットを先取され、第2セットも3-5と劣勢に立たされたが、前週のチリ・オープン(Chile Dove Men+Care Open 2020)を制した19歳の新星チアゴ・ザイブチ・ビウチ(Thiago Seyboth Wild)に4-6、7-6(7-0)、6-2で逆転勝利。対戦成績2勝0敗で王手をかけた。

 オーストラリア、日本、欧州、南米、そしてハワイの世界各地で試合に臨んだ各チームは、前回優勝のスペインをはじめ、同準優勝のカナダ、セミファイナリストの英国とロシア、ワイルドカード(主催者推薦)のフランスとセルビアが待ち受けているスペイン・マドリードで行われる11月の本戦を目指す。(c)AFP/Dave JAMES