■エボラにより改善した感染症対策

 だが、アフリカにはエボラの経験がある。

「エボラの流行によって、保健医療制度、協力とコミュニケーションの基盤、『監視』が改善した」と話すのは、緊急医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」の医師でブルキナファソ、ニジェール、ナイジェリア、カメルーンにおけるプログラム責任者であるドリアン・ジョブ(Dorian Job)氏だ。

 コンゴ民主共和国の東部では今もエボラが流行しており、2018年8月以降の死者は2264人に達している。

 同国は、新型コロナウイルスの流行を防ぐため、首都キンシャサの空港に到着した人やコンゴ共和国の首都ブラザビルからコンゴ川(Congo river)を渡って入国しようとする人に対し、既に検温を実施している。

 同国のエボラ対策チームを率いるジャンジャック・ムエンベ(Jean-Jacques Muyembe)氏は「コロナウイルスに対する措置は、われわれがエボラに対して行っている措置と同じになる。つまり、衛生管理と手洗いだ」と述べた。

 コンゴ民主共和国は日本からの支援を受け「国立生物医学研究所(INRB)」内に「診断・研究センター(diagnostic and research centre)」を設置したばかりだ。

 一方、リベリアの国立公衆衛生研究所(National Institute of Public Health)のモソカ・P・ファラー(Mosoka P. Fallah)所長は「エボラ危機の教訓のおかげで備えが改善した」と語る。

 同氏によると、リベリアでは新型コロナウイルス対策として9本の戦略的柱があり、それぞれの責任者は全員、エボラでの経験があるという。(c)AFP/Samir Tounsi with AFP bureau in Dakar