【3月6日 AFP】中国のインターネット上で、外国人が永住権を取得しやすくなる新法案をめぐり、外国人嫌悪の風潮が強まっている。

 中国司法省が先週発表したこの法案は、ソーシャルメディア上で数十億回閲覧され、特にアフリカ人を標的とした怒りの投稿が寄せられている。

 中国版ツイッター(Twitter)「微博(ウェイボー、Weibo)」のあるユーザーは、1980~2016年に政府が実施した一人っ子政策に言及し「中国の40年間の家族計画政策は、中国を外国のくずがのさばる場所にするためのものではない」とコメントした。

 このユーザーは黒人に対する人種差別的な言葉を並べ立て、「われわれの中国人の共通の祖先が、アフリカ人によって汚されることはない」と主張した。

 別の複数のユーザーは、中国国内で罪を犯しているとみられる黒人の動画を投稿した。中国人女性に中国人男性と付き合うよう促すキャンペーンには「中国少女」という意味のハッシュタグがつけられ、6日午後の時点で2億4000万回閲覧された。

「中国は移民国家ではない」という投稿も、微博で広くシェアされている。

 法案に関連するハッシュタグは、48億回以上閲覧された。

 法案は、外国人の扶養家族も永住権を申請できるようにするとともに、教育や所得に関する要件を緩和するもの。今月27日まで法案に対する意見を公募している。

 国営メディアによると、中国に居住する外国人のうち、永住権を保有する人は1%未満とされる。

 中国は発展途上国の留学生に魅力的な奨学金を提供する一方、商業の中心地である広州(Guangzhou)の「リトルアフリカ」で不法移民に対する取り締まりを実施し、多くの不満を招くなどしている。

 政府系大衆紙、環球時報(Global Times)の胡錫進(Hu Xijin)編集長は、「中国では長い間、一部の外国人が市民としてひそかに『優遇』されていた」と指摘している。

 山東大学(Shandong University)は昨年7月、外国人留学生を異性の中国人学生に紹介する取り組みを批判され、謝罪に追い込まれている。(c)AFP